人狼議事

126 生贄と救済の果てに〜雨尽きぬ廃村・ノア〜


【人】 風来坊 ヴェラ

―雨の境界線を抜け出した狼―

[遅かったか……と、狼は思う。
 目に映るのは、馬のない倒れた馬車と、枝で作られた十字の墓>>74
 無理はない。濡れた体で雨の境界線まで立ち戻り、この場所まで戻ってくるのは至難ではあったから。
 急いで向かってきたつもりだったが、予想以上に水気を吸った体が重たくなっていたのかもしれない。

 上に乗せられた帽子の臭いをかぎとり、それが魔法使いではない、普通の人間のものあったことを確認する。
 こんなところに来たがる人間が、あまりいるとは思えない。
 その上、地面を穿ち>>69、魔物の血の臭いが残された>>71、戦闘の跡。
 自分と同じように、要請を受けた魔法使いが馬車で向かってくる途中での、惨事違いない。

 災難だったな。狼は濡れた体でお座りをして、墓標の帽子に頭を垂れた。
 だが、幸いなのは魔法使いの方は大きな怪我なく、要請の地に向かっているであろうこと。
 血が洗い流されないこの場所に、魔法使いの血痕は残っていないのだから]

(98) 2013/06/11(Tue) 01時半頃

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