[境内には既に動くものの気配はない。いつも座って笛を奏でていた白梅の周囲も、鈍い色に染まっていた]……く。[そこから強引に視線を逸らし、石段を降りていく。どれだけの血が流れているのか、誰が無事なのか──そも、自分以外の者が生きてるのか、それすらはきとはわからない状況に、焦りが募った]一体、なんだって、言うんだ。なんだって、こんな、事に……![理由がわからない事への苛立ちが言葉になって零れ落ちる。やり切れない思いを振り払うように首を左右に振り、それからふと、空を見て]……え?[高くたかく飛び上がる人影>>91を認めて、一つ、二つと瞬いた]
(96) 2014/02/16(Sun) 01時半頃