[はてさて屋台の並ぶ通りを歩いていると、綿菓子もミツボシの口の中へ吸いこまれては溶けて消えてゆく。
死後の世界かと思ったこの場所は、どうやら自分が元居た世界ではないのかもしれない。既に絶滅したはずの文化がこうして根付いているところを見ても。
それに、ミツボシの記憶には地上にあんな大きい桜の木はなかったはず。]
そりゃ、桜見たいって思ったけど…思ったけどさぁ…>>0:76
(…神様、今わの際の願いを叶えるスケールがデカすぎです。)
[最後の綿の一欠片を口の中へと運び、芯棒の竹串を近くのゴミ箱へと放る。
と、そのゴミ箱の傍には何やら食べ物を売る屋台があり。]
「……にゃァー!」>>85
[突如、店番らしき女性が悲鳴を上げながら着物を正す。
ビクリ、とその悲鳴にミツボシの身体も反応してしまう。]
え、ちょ、アレですか!これはまさか捨てちゃいけないものでしたか!
芯棒は流石に捨てるものと思ってましたが!ジャパンが世界に誇るモッタイナイ精神!?
[店番の女性が目の前で落ち込んでいるとも知らず、ミツボシは捨ててしまった芯棒を探そうとゴミ箱へと手を伸ばそうとしていた。]
(94) 2015/04/19(Sun) 20時半頃