[姿こそは人と似通ってはいるが、星の子《テュケリトス》を構成している物質は人間のそれとは全く異なる。
輝星素《ポーラステリア》と呼ばれる元素によって構成される星の子は、星動力《イリアコトン》を源に活動を維持する。
星動力とは星の子にとって栄養のようなものだ。
南極星は星から星命《テュケー》を吸い上げる事でこの星動力を生み出す事が出来る。
逆に北極星は星動力を与えられる事はあっても、生み出す事は出来ない。
また、南極星からの供給が止まれど蓄積された星動力はそこに留まり、太陽《サイモン》が在り続ける限りは微量ずつではあるが星動力は与えられるのだが。
この星動力が尽きた時。
星の子を構成する輝星素は結晶化し、その活動を止める。
それは、人間で言うところの死と同意義である。
そして今正に、その現象が北極星の身体に起こっていた。
そう、太陽《サイモン》も蓄積した星動力も無くなった今、北極星は身を削って飛んでいるのだ。
南極星を止める、その為に。]
(93) 2012/02/01(Wed) 03時頃