ー商業施設内 菓子屋と併設のカフェー
「これとあれ、持ち帰りで。中でも食べたいから、帰るまでに包んでおいてもらえるかしら」
「かしこまりました」
「中で食べるぶんはこのお茶と…このケーキで」
「準備いたしますのでお待ちくださいませ」
[モナリザとはまた見た目の違う誘導ロボットたちが、少し甲高い声で応答する。
食べたかった"銀河"に"天ノ川"、他に目についたYo-Gashiをいくつか。持ち帰ってNa-Tuに着くまでのおやつにしよう。楽しみだ]
「おまたせいたしました。どうぞごゆっくり」
[誘導ロボットたちに連れられ、店の奥の扉を開ける。
視界に広がるのは雨に濡れた庭園。
それなりにくつろいでいる人がいるはずだが、うまく作られており人気は感じない。ここのカフェは思い思いの場所にテーブルとベンチを置き、雨宿りの雰囲気を楽しみながらお茶ができるのか特徴である。
体感映像のエリアもあるが、私はあえて半屋外の場所を選んだ。
誘導ロボットたちがテーブルと椅子をセットして、お茶とケーキをおいて去る。紫陽花咲き乱れる少し奥まった場所。藤棚が雨避けをしてくれ、下がる花房からは仄かな香りがする]
(93) 2018/06/14(Thu) 22時頃