―回想・十数年前―
[海賊の仲間になるのに、一筋縄でいくとは思っていなかった。>>42
けど、いきなり武器で襲いかかられるとは思っていなかった。]
はあ!?う、わっ…!?
[剣を鍛錬で振ったことはあった。
貨物船で鍛えた腕力と体力もあった。
だが、喧嘩の回数は少なく、人に武器を実際に向けた経験はなかった。
頑張りな、とギャラリーからからかい程度に投げられたサーベルを拾って、ほとんど一方的な防戦。だけど諦めずに、殴られても攻撃を受けても何度も向かっていった。一撃くらいは入れられただろうか、最後は意地で動いていて、もう記憶が曖昧だった。
下っ端として働き始めた日。腫れた顔に潮風が染みまくって、小声で悲鳴をあげていた。今でこそ兄貴などと呼ばれ、慕われているが。そっとしておいてほしい、本人にとっての黒歴史の1ページ。*]
(93) 2014/12/09(Tue) 23時頃