――良いのよ別に。
アタシが"王子様"を探しに行くんだから。
[硝子の靴>>80など必要無い。探すのは"彼"ではなく、ジャニスなのだから。ぽつり、と。そんな事を呟いて。
返事を送ろうと動かした指先は、瞳は。背後から聞こえた声>>83にぴたりと止められただろう]
"Bonjour おはよう 奥様は?"
[昨日のやり取りを、そっくりそのままなぞる様に。振り返ったジャニスの顔には、恐れなど浮かんではいなかったが。
――けれど。差し出された紙袋>>84に、きょとりと一つ瞬きを。だって、全くの予想外の物だったから]
……お詫び?
ヤダ、やめてよ。身構えてたアタシが馬鹿みたいじゃない!
[困った様に眉を寄せ、拗ねた子供みたいな表情で返す。まさか獣の青年が詫びの品を持ってくるだなんて、全く考えてもいなかった]
それに、ケーキまで頼んでるのね。
アナタの分のチーズケーキも、注文しようと思ってたのに。
[趣味でないチーズケーキを突きながら、いっそ恨めしげに言葉を紡ぐ。彼の持つケーキと紅茶には、羨ましげな視線を。……慣れないものなんて、頼むべきではなかったのだ]
(92) 2014/10/07(Tue) 16時頃