[人狼が集会所の包囲を突破した数刻後。集会所には検分する自衛団員たちと野次馬の姿がある。その中には集められた者の関係者の姿も見られた。テッドの名を呼ぶのは彼が遊びに行く約束をしていた者だろうか。仔細を知る為に、集められた者の無実を訴える為に。柔らかな金糸を編み込んだ身なりの良い日傘の女性もそのひとり。ルーカスと言う貿易商と同じ色の眸持つ女は自警団から事件の一端を聞けば目眩に足元をふらつかせる。地面に落ちるは純白の日傘。 兄が人狼だなんて。 そんなはずはない。慌てて支える使用人が彼女をグロリアさまと呼んだ。グロリアは自警団の言葉を拒絶するように頸を横に振る。其れは何かの間違いだと強く強く訴えた]
(90) helmut 2013/02/10(Sun) 17時頃