[エゴイストの自分でいい、という言葉>>86に、はっとして息が詰まった。 ああ、だから。だから自分は、この人を救いたいのだろう。 さっき胸の奥で溶けた氷が、表に出てきてしまいそうだった。 向けていた笑顔は、堪えるように眉が下がって、随分情けないものになっていたかもしれない。 どうすれば苦しくなくなるか、問われれば細く、深く息を吐いた。]今、先輩も言ったでしょう。俺の作る作品が好き。出来ないことをするのを、尊敬している。みんな、見ているのは俺じゃなくて俺の"作品"と"技術"なんです。何かを作るたび、"俺"がどんどん呑まれていく。俺が木に触らなくなったら、もう、何も残らないんじゃないかって。
(90) 2018/05/19(Sat) 18時頃