[ 汗の滲んだ頭を掻き毟った。
乾いた咥内に砂糖のざらつきがなく、脳に行き届く糖分が不足していることに苛立つ。優秀な医者と慈愛に満ちたナースより、今はとにかく何か甘いものが欲しい。
砂糖の甘さは、すべてを溶かす。
腋の汗が染みたスーツの上着をそろりと探り、左側ポケットから取り出したのはヌガー入りのチョコレートバー。クソだ犬がクタバレ警官野郎……と騒がしい口はチョコレートをしゃぶってようやく静まる]
――おいおい、そいつがクソ警官だったのか?
客に混じってた?客に混じって……待ってたってのか?
そいつは聞き捨てならねえ事態だ
それじゃあなんだ、オレたちはノコノコ飛び込んだのか?
クソ犬が尻尾振って待ち構えてる店に
おじゃまします強盗のお出ましです――って?
Jesus...!
[ 静まってなかった]
(90) 2016/04/09(Sat) 11時半頃