お前こそ、変な香り送ってくんじゃねえよ。 …それ、ドーナツだろ。 太るぞ。[デリカシーの欠片も無い言葉を煙と共に吐き出して、白い靄は甘い風に乱され消えた。チョコレートと油と砂糖と、偶に混じるのはフルーツベースのシロップと。混じり合った甘さは黒い男の香りを押し退けて、多分、先より大分マシになった事だろう。男の髪やコートを遊んでいた風は、再び少女の元へ帰っていく。消臭完了の知らせを乗せて、ついでに、煙草の煙も引き連れて。*]
(90) 2015/09/10(Thu) 21時頃