[柔い笑みをその顔へと乗せながら、去ろうとする背に刺すように投げられた言葉>>84にぱちりと色の薄い瞳を瞬かせ。
チラリと振り返ってみたのなら、女の吊り上がった眉の、あゝ怖い事、怖い事。
はてさて、何が彼女の気に障ったのか。
それはさっぱり分からなかったけれど、その様があまりに可笑しくて。
ほんの僅かに眉を下げて、息を吐いてはしまっただろうか。]
…あら、それはごめんなぁ。
それはそうかもしれへんね…でもそないして言うキミを見てると、何やほんまに"不幸"みたい。
――……幸せなら、もっと堂々としてればいいのに。
[彼女の瞳が遠く、遠くを見ている事なんて、女に興味などありはしない。
抱えた薬箱を一度抱え直したのなら、まるで分からないとでも言うように、女は小さく溜息を吐いてみせるだけ。
この国の事も、あの女の事も。
自分は何を知るわけでもありやしない。
だから自分の吐いた言葉が、相手にどう伝わったかなんて。そんな事は――考えるだけ、"意味の無いこと"。]*
(90) 2015/01/19(Mon) 02時頃