〔「まさか」と呟いた声>>73>>74は聞こえなかった。
挨拶を返されないのを気に留めることもないが、金髪の男性に小さく会釈をしておいた。〕
〔少年の顔を見る。>>76この年頃ならば林檎のように赤く、まるく、やわらかであるべき頬は、蒼褪めて、ほんの少しほっそりしているように思われた。
お母さんはどこ? なんて言葉を出すことも出来ず、シェリーは彼を見上げている。〕
いいわ。お礼なんて。
好きでやってるのだもの…… ?
〔ぺこりと頭を下げた少年に微笑を返し、おずおずと差し出された掌に優しく手渡した。>>77
少年を心配しているのは本当だったので、彼にパンと牛乳を受け取って貰った時は、ほんの少しほっとした表情をした。
突っ撥ねられてしまうかもしれない、
と、ちょっぴり危惧していたのだった。
かたん、かたん、と雪燕が揺れる音に紛れ、かりかりという音は耳に入らなかった。
代わりに、少年の様子に不思議そうな顔をした。〕
(89) 2015/11/29(Sun) 22時半頃