─Dullahan・2F客室─
[店に戻ると、店内に客はいなかった。店の奥で作業をする老婆は、こちらを一瞥するのみで声をかけてこない。
おそらく彼女は、自分の要件を素早く察したのだろう。
彼女から視線を外すと、真っ直ぐに階段へ向かい、二階へと上がる]
報告があるんだけど。…来てくれる?
[廊下から彼の部屋に向けて声を掛け、返事を待たずに客室に入る。
そこで彼を待つ間、ソファーに腰を下ろし、深く背を沈めて今朝の会話を思い返す。>>59>>61>>62
メアリーと接触して情報を得る所までは出来たと思う。
本当は店の作業が済んだ後で街へ赴き、彼女の足取りを追うつもりが、この店に彼女自ら来てくれた。
会いにいく手間が省けたのは幸運だったのか、あるいはこの場所に自分が居る事を知られたのは不運だったのか。
彼女との会話の末…───彼女を”始末するべき”と判断した。
そこまでは良かったと思う。
しかし、事を達成する寸前に邪魔が入った。プリシラとかいう男、…おそらく彼女の想い人なんだろうと思う]
(88) 2011/11/23(Wed) 20時頃