─御渡市・商店街/千秋・小鈴とー
[小鈴に伸ばした手はどうだっただろうか?
声がかかったのは、そんな時。 >>73和やかな声。そちらを見れば“俺”より少しくらい年齢が上に見える男性と、白い──]
『おやおや、これは。まさか人間と契約している
モノがいるなんて、ね』
え?!……あ、こんちわ。
[突然の身体の入れ替わりに、戸惑う“俺”。
“私”はどうやら何かを見たらしいが、そんなものは普通の高校生であり霊感も全くない“俺”にわかるはずもなく。突然腕を上げる奇妙な行動の男性を訝しげに見るが、その声のかけ方から小鈴の知り合いのようだ。
知り合いのようだが尋ねずにはいられない。]
えーと…お知り合い、っすか?
『面白いものを連れているなぁ、人間』
[残念なことに“俺”もまた“私”と同じような振る舞いをする事は出来ず。小鈴からすれば態度が変わったように思われるかもしれない。
男性とその連れに対してくつくつと笑う“私”とは真逆で、何となく蚊帳の外の“俺”はパチリ、と目を瞬かせるばかりだった。*]
(88) 2016/06/14(Tue) 20時頃