―現在・商店街―
[そんな感じで。
おじちゃんは周りには女好きで酒好きでギャンブル大好きということになってます。
そのせいで、奥さんが逃げ出した、っていうくらいです。
自分でそう言ってるんだから世話ありません。誰も庇ってくれる人なんていやしません。]
[着ぐるみをお返しして、決まった書類にサインをして、おじちゃんは雇い主の事務所を出ていきました。空の上の上のほうはすっかり真っ暗ですが、街は昼間と変わらず賑やかです。
普段の街灯に加えてあちこちにランタンが吊るされ、色とりどりのモールがその光を反射してキラキラ光って見えます。]
いかにも子どもが喜びそうな色だねぇ。
赤青黄色、どの花みても、ってな。
[おじちゃんは目を細めました。実際には、街はオレンジが多いですけど。
あ、ほら。あそこ。一際オレンジのお店があります>>30。カボチャの専門店でしょうか。
おじちゃんはちょっとだけ指を顎に当てて考え込んでから、ポケットに手を突っ込みました。
カーキ色のモッズコート。でも幾らその中を探っても、何も見つかりません。おじちゃんの顔色が次第に曇っていきます。]
(87) 2011/10/19(Wed) 02時頃