え?…ああ、…じゃあ、グレッグ。
――なら、僕もフィリップと。
[手渡して離れた青年>>84からは、薄っすらと香る土埃。労働者のにおい。
埃っぽいそれに、忌避めいてうっすらと眉を寄せて。
それでも加えられた提案には、僅かに緩められた。
さらりと出た口調は不意のもので、決して馴れ合いに来た訳じゃあない。
そもそもこんなところのモニターと自分とでは格の違いも知れていると、そんな不遜な思考は有りはする。]
……はは、面白い癖。
それってどこでも通用するものなのか?
[けれど次いだ補足と、中途半端な敬語。
思わず漏らした笑いは無知への嘲笑か、――もしくは自然と漏れた、別の笑みか。
曖昧な敬語は今度こそ、確かに成りを潜めた。
彼がペットボトルに口を付ければ、自分も蓋を緩めて一口だけ飲み込む。
盛大に鳴る喉の音に、果たして足りるだろうかと、ちらりと横目で伺って。]
(87) 2015/08/23(Sun) 00時半頃