―体育祭前日・昼休み―
[あの祭りの翌日で、みんなどうもどこか疲れているようだった。俺も妙に疲れていた。授業に出て、昼休みはまったりと飯を食っているだけで、探そうと思っていたエニシも、昨日世話になった――強い怪異といわれた葛籠にも会えた。彼女がダンスに誘った、前生徒会長の麗亜も。いつものクラスメイトも]
[目が合えば、ちょっとはリアクションをした。けれどそれだけだ。あれだけ会って色々聞こうと思ったのに、なんだかそんな気はなくなってしまった]
[おもんの警告を受けたから、ばかりじゃない。昔から、クラスの輪に入るのは苦手だった。どうもそこは自分のいるべき場所じゃないと感じて、カメラを取った。写真を撮った。ペンを執った。そうしていると自分が傍観者になれた。祭りの夜にそうしたように]
[端っこに立って、写真を撮る。何でもない、記事にはならないそれだけの写真だ]
[新聞部へ行き、新聞を書こう。そういう気持ちになった]
(86) 2018/09/14(Fri) 23時半頃