城は此処からそれ程遠くはないぞ。
あそこからでも、あんたが見えたくらいなんだから。
[此方を窺う相手には、きょとりと目を瞬かせ。
やがてふと眼差しを和らげれば、おかしそうに言葉を紡ぐ]
派手な事をするつもりは無いって言ったろ。
あんまり警戒するなよ。
[正直な所、いくら相手が手負い相手だといっても、今挑んで勝てる気がしないもので。
争いを避けたいのもお互い様だと思っていたのだが……彼はそうではないのだろうか。
幾らいつか殺さねばならない相手でも、その時期くらいは選んでも良いだろう?]
案内くらいならしてやっても良いが……、
途中、面倒な争いに巻き込まれそうなんだよな。
[先に城から見た風景を思い出しながら、頬に手を当てて考え込む仕草。
流石に争いの場に巻き込まれたのなら、何もしないわけにはいかないだろうから。
出来る事なら、彼等の前は通りたくない所]
(86) 2015/06/25(Thu) 00時頃