─ ラルフの部屋 ─
[尋ねた部屋のトニーはどんな様子だっただろう。
彼等の部屋で起きた出来事を知らないラルフは、年下の子どもに問う態でユーリィと仲直りは出来たのか?とトニーに軽く尋ねた。もし、ユーリィの不在を聞く事が出来れば、夜中に外を探そうとしてはいけないと口にするだろう。
青い薔薇の香りは、夜闇が深くなるほどに濃密さを増す様で。
と──アイマスクを借りて、部屋に戻ったラルフは、窓を開け放っても変わらぬねっとりとした空気に、重くるしい息を吐いた。]
──……
[眠ろうとするわけではない。
ディーンを待つ間、ただ視覚を遮断して暗闇を味わう事を試みようと、アイマスクを付けて、何時もの椅子に座った。投げ出した脚は、あやういバランスで窓枠に乗せたまま**。]
(86) 2010/09/06(Mon) 04時半頃