[だが、音弾が雑音を貫くことは、なかった。
ダメージは確実に与えているはずのに、黒いインクを撒き散らして消えることもなく、ノイズはまだそこに存在している。
…ここまで難なく敵を撃破してきたという慢心は、確かにあった。それは認める。
だが、だからと言って攻撃に手は抜いていない。絶対にだ。]
っ、シメオン!コイツおかしいぞ!!
[後ろに立つ相方に怒鳴り、注意を前方に戻す。
ほぼ同時に、やたら攻撃的なデザインの両脚が地を蹴って、ノイズの躯が跳躍する。
次の瞬間には既に、敵は目前に迫っていて。]
くっそ…!!
[ここまで扱ってきて、さすがに気づいていた。
このサイキックは、距離を詰められる前に敵を叩きのめすためのもの。はっきり言って、近距離戦には不向きな代物だ。
身を翻そうとするが、間に合う気は全くしない。歯噛みして、強靭そうな脚の一撃を覚悟する。*]
(85) 2015/03/15(Sun) 09時半頃