…さて、どうしたものかな。
[ついでとばかりにコミュニティの投稿内容を眺めれば、変動が起きている。『人』が獣をお試しで“飼う”らしい。
男からしたら馴染みのない感覚だ。
何故ならほんの数日前まで男も自分は人間であると認識していたのだから。
動物を飼うことは予想できても、今まで男が知り合った獣人は何の因果か皆人の造形をしている。
人とそう変わらない存在を“飼う”ことにやはり違和感は拭えない。
男は手早く手紙を作成すると3名に送る。
本屋の彼とは昨日約束をしたような気もするから気にはなったけれど、連絡先を男は知らなかった。
けれど狭い小國。いずれ合うだろう。男は楽観的に考えると、再度少年に向き直り]
こんなにも人の目に触れるところに現れてもいいのかい?
…君には、飼って欲しいと思う『人』でもいるのかな?
[辿々しく、目の前に佇む“人”に男は尋ねた。]
(85) 2014/10/05(Sun) 16時頃