〔昨日のこと。>>2:162
『わたしは、わたしが祟り神でないとは思わないわ』
そう語った志乃の心中とはいかばかりか。きのうの親友はもう遥か遠く、日向には推し量ることもできない。
ふらふらと覚束ない足取りは、気付けば志乃の邸へと向いていた。〕
お志乃ちゃん……
〔それでもまだ、彼女に会いたい、と。
彼女の弁を聞かなければ、了解などしたくはない。
夜半に会いに来た口実を考えながら、暗闇にぼんやりと光が灯る邸を見上げていたとき。
突如、闇より現れた奇妙な鳥の姿。>>14
初めは何処の神の使いだと目を向け、しかし未熟な付喪神の自分だからわかってしまった。
あれは。この高天原には存在し得ない筈の、妖の姿――〕
お志乃、ちゃん……
やっぱり、なの……?
〔それから、どこをどう帰ったのか、覚えていない。
邸にて、ただただ華月様の姿を探した。〕
(84) 2013/08/14(Wed) 14時半頃