―― 理科準備室 ――
[理科準備室の窓に垂れ込める暗幕。
それを外側から見上げる人がいたなんて知らずに、(>>15>>18)
男はそのまま天体望遠鏡の最終チェックを始める。]
ごぜんーにじーふみきりーにー♪
[担いでいかなくとも、しっかり用意はしてあるのだ。
音程を外しまくったテノールを軽快に理科準備室に響かせながら、不備がないことを確認すれば、それ以外の準備も。
数個の双眼鏡。星座早見盤。
懐中電灯。ペンライト。
最近ではスマホのアプリでも星座の位置を知ることができるらしいのだから、便利な世の中になったものだ。
雨が振った時用に、小さなプラネタリウムも用意はしてあったけれど、こちらは必要ないだろう。]
よしよし、こんなものかな。
さて、始業前には一度職員室に戻っておかないと。
[一仕事終えれば鍵を閉め、猫背でのそりと廊下を歩き出す。]
(84) 2014/10/01(Wed) 00時頃