―回想・暗い夜の森の中で>>78―[ イアンが足止めされている間に、巡礼たちの持つ明かりの輪は遠ざかり、追い払った闇がひたひたと押し寄せて彼と背後の『それ』を包み込んだ。 不意にもう一方の腕がイアンの背後から伸び、彼の身体に巻きつく。] 随分と饒舌だな。 死ぬかも知れぬという時に。[ 笑いを含んだ声を耳孔に吹き込み、身体を押さえつけた手は、イアンの胸から腹をまさぐるように降りていく。]
(83) 2010/08/02(Mon) 18時半頃