[漠然と感じていたのは、イワセが自分を―― それは自分自身ではなく、自分の目であるのだけれど ――必要としている、それだけだった。
仕事でも足を引っ張っていた。
運動でも相手に迷惑ばかりかけていた。
だから、“必要としてくれる”ということは、それは、]
……俺の目、とらなくていいって。
そういう方法が、あるって。
……でもイワセ、悩んでて。ヤキュウが、好きだから。
ヤキュウ、楽しいって ショウタイするって。
キャッチボールも、おしえてくれるって 俺、イワセとオナジイデンシだから、上手くなるって
[零すのは、言葉の断片。イワセと交わした会話の欠片。
――― それから、不意に口を閉ざし、ゆるく、首を横に振る。]
……わからないから、いっぱい、イワセに、聞きたかったん、です
[歪な笑みは、途切れぬまま。*]
(81) 2011/10/01(Sat) 01時頃