『『『《自らを封印せし者−孤島の堕天使−》』』』
[直ぐに顔を引っ込めると会場から立ち去ろうとする兄の服を引き、『行っちゃうの?』とひとこと。
久しぶりの外、久しぶりの人ごみ。これはニートにとっては死地に等しく、唯一言葉を交わせる相手が居ないのは中々に難易度が高いことで。出場は強制しないものの、せめて一人にされるのは――、そこまで考えて思考は止まる。]
…………、
…………、
…………がんばる、
[のそのそとそうしている内に兄は《混沌の貴公子》とお話していたらしく、口を閉ざしながら舐めるようにその姿を観察しておく。
二人がどんなお話をしているかはコミュニケーション能力に乏しい妹は読み取ることが出来ない故に、最後去り際に話掛けられた時>>59にようやく頷きつつ。
目を逸らし小さいどころじゃあ無い程の弱い声で返事をしたが果たして相手には届いたかどうか。
どちらにしても思い切り不審な人を見るように警戒した様子でケン太くん(腕)を抱え、兄に問う。]
……なんで……あの人、めんたいこっていっぱい言ってた……の?
[またしても壮大な聞き間違えをしていることなんて知りもせずに。]
(80) 2015/03/16(Mon) 23時半頃