―開かずの間―
ふふ。ほんっと、ユリってチキン。
[ディーン>>77に同意して掛けた言葉。違和感は存分に気付いている。
自分にとって、ロンリーウルフでいけすかない相手だってユリシーズに、そんな感想を笑いを交えて答えるなんて。
自分にとって過去との狭間は、薄まってしまっているんだと自覚した。
寂しさは、感じない。だって――――]
だよね。甲子園優勝校の大物ルーキーに、日本なんて狭すぎるもん。
なってよ。絶対。卒業するまでは、私もちょっとも、手伝うから。
[蟠りが、ほどけていく。
最終試合の後、彼がメンバーから離れた場所で見つめていた姿は、もう取り消しができないけど。
そうだ。きっとあの時は。彼が語る彼の顛末を、ずっと聞きたいと願っていたんだと思うから]
これて、よかった。
[決して描けなかったテツの栄光を、瞼の裏に映し出せたことが、今は無性に嬉しかった]
(80) 2011/08/31(Wed) 23時半頃