ー回想:彼との出会いー[それは中学3年生の時、まゆ美とは初めて話したころと比べると友好を深め、一緒に登下校して他愛ない会話を交わしたりしてある日ーーー。学校の廊下をまゆ美と一緒に歩いている時にふと、足音が聞こえてきてそれは段々と大きくなっていた。私に向かって誰かが近づいてきている、と少し遅めに気づく。そして、振り返った時には一人の男子学生が私に向かって大きな声をあげながら駆けだしていて、その光景には、びくっと肩を震わせて驚いた。もしかして私が何かした?とこの時は見当違いなことを考えていたものだ。歩いていた時にポケットからすり抜けた、桜色のハンカチの存在には全く気付かないまま。]
(79) 2015/12/15(Tue) 18時頃