[まずは右手にフォークを取る。
フェットチーネにソースを掬うように絡めてそのまま口へ。役目を終えたフォークを戻し、ゆっくりと咀嚼する。]
ん。
[リボンの溝にソースがたっぷりと詰まっていて、一口目から間違いない味。それでいて濃厚なソースに負けない存在感のあるパスタは、おすすめの通り相性抜群だ。
クリームソースも豆乳の風味とバターのコクが主役のかぼちゃの甘みを底上げするように良い仕事をしている。]
……。
[フォークは次の獲物である胸肉を捕らえた。
嚥下し終えた口に運ぶと、つるりとした食感が口内で踊る。噛み締めれば閉じ込められた肉汁が溢れ、パサつきのパの字も見当たらない。
今度は左手にスプーンを取り、具材とパスタを一緒に盛りつける。口に入りきらないことのないよう、慎重に、慎重に。
無事完成した作品を口に収めれば、また暫く咀嚼した。目元が蕩けて、思わず瞼を下ろす。]
(79) 2019/11/22(Fri) 23時頃