[くん、と能力のせいで常人より効く鼻腔を擽るのは手元から漂う甘い香りと――それを打ち消すような酷い臭い>>46。
それに混じる煙草と、そして僅かながらに残る
”仕事”の香りで犯人が知り合いであることに気づくと、
ふう、と小さくため息をついた]
どうせアタシが言っても、また聞きはしないんだろうなあ。
[以前詰め寄ったときの聞く耳など全く持たない対応を思い出して、
浮かない顔で弧を描くチョコレートをまた一口。
しかし、効きすぎる鼻に嫌でも届くそれを放置することはできず。
暫しの逡巡ののち、手元の甘い香りを風に乗せて発生源である男の元へ送ることで中和できないかと考え、試みた。
風に乗せるのは、香りとメッセージ]
ふーみかチャーン。
お仕事後はシャワー浴びてよねぇ。マジ、公害だからぁ。
[そんな小言を携えた甘い風を、相手の元へ送り出そうか]
(79) 2015/09/10(Thu) 18時半頃