[目が合った。
金ピカに浮く、ヨアヒムの顔と。
幸いにして顔そのまんまサイズではなく、手のひらに収まるくらいのレリーフが、何故か校内スピーカーの下にちょこんと飾られていた。
黄金色に輝いているのに、凄く眩い光なのに]
……あまりお宝感がねぇな、あれが本物の金でも。
[そんな感想と共に、目を逸らした。
見てしまった現実から。見てしまった、金ピカのヨアヒムから。
そうして目を逸らしたのと同時、メールの着信に気がついた。最新一件と、それから気づいていなかったのが数件]
あー……。
[やっちまったとスマホを眺めて、気づかなかった申し訳なさで慌てて返信作成をしようと画面をタップする。
だから亀谷がプリントの注意書きに気がついて動揺した事>>59には、気遣わしげな視線を向けるだけになってしまった。
メールを送信して亀谷の傍らに行けば、落ちた物を机に戻すくらいは手伝えたか]
(78) 2014/10/06(Mon) 01時半頃