グラタン…? ああ、
[ 投げられた言葉>>42を繰り返すままに次ぎかけ、途中で気付けば抵抗無く頷く。冷蔵室から食材を取り出しては、キッチンに立って、手際も確かに進める姿を黙って見つめた。
体が冷えるから、と先のそれに加えスープも目の前で出来上がって行くのには、その背に小さく感嘆じみた息を吐く。]
……そう。独り占めできたらいいね。
[ 調子も軽く言われたのには揶揄う口調を取り戻し、緩い視界に投げた。
スープの味見を、と言われればやや戸惑ったような視線を向けて、それでも大人しく従っては。――舌への塩気には、素直に頷いてはおいしい、と拙く告げただろう。
久々の“きちんとした”晩ご飯が卓に並べば、軽薄に固めた表情に僅かに色を落とす。礼をして口に含めば、やがて夕食の皿は全て片付いたのだったか。
――改めて此方を窺い見た相手と視線が交われば、緩く首を擡げる。]
(76) 2014/10/07(Tue) 14時半頃