人狼議事

223 豊葦原の花祭


【人】 座敷守 亀吉


 …本当は、少し。怖かったんです。
 淡墨桜の許へ、ひとりで行く事が。

[足を、――を喪ってから、赴く事のなかった村の象徴。

小さくて、大麦とレタスが他より少し良いばかりの村。
乱れ咲く春も、快活な夏も、実りの秋も、美味の冬も。
きっと別段、全ての者を魅了するほどでもない。

それでも、一つだけ。
住む者も訪れる者も楽しませる、村の誰もが愛する桜。
生まれ育った村に活気と潤いを、元気を、楽しさを、
連れては咲かせ、また一年と繰り返す桜を。

良いものだ良いものだと来訪者に話すばかりで。
最後にこの眼で見たのは、何年前だっただろう]

(76) 2015/04/21(Tue) 02時半頃

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