[朝、村長がやって来て「挽歌を歌ってくれ」と言われたよ。詳細は何も教えてくれないのに。
連れて来られた中央広場には、昨日話しかけれた「変な人」の変わり果てた姿が其処にあったの。
その姿はまるで村人を煽っているのかなって、そんな事を思うよ。
「人狼だ」そんな声が彼方此方から聞こえて。現在の状況が何と無く分かってきたの。処刑していこうなんて声も…聞こえるけれど。]
人狼って決めつけちゃって…良いのかな。人の手で出来ると思いたいだけじゃないのかな。
[首を傾げながらそう言うの。でもこの声は小さくて、他の声に紛れてしまうみたい。村長に急かされるから…決められた場所に移動して、ゆっくりとした口調で歌い始めるよ。]
This ae nighte,this ae nighte…
[何方かといえば、あまり此処にいる人たちに聞かせる歌ではなくって…それにちょっと異色な歌なのに。何人かが私の近くで泣いているの。
何だかこれさえも仕組まれているような気がして…心の中で息を吐くよ。
長く、長く。繰り返し…繰り返し歌って。それに朝ご飯も食べていなかったから。
知っている人に見せる笑みには…疲れの色が交じってしまうの。気も滅入ってしまうから。]
(76) 2015/04/20(Mon) 10時半頃