[そこには暁平自信が一度口にした『妖怪退治に狙われた』という話が大きく関係してくる。
つまり怪異の世界にも警察もどきが存在する。「しちゃいけない」ではなく「バレてはいけない」と思った。
───真っ先に考えたのは死に体の年寄りから、残り僅かな命を食うこと。いつ死んでもおかしくない奴にトドメをさし続ける形で、屋台の買い食い程度にあちこち巡り『怪異のせいじゃありません』という顔をするのはどうだろう?
───いやいや、であれば孤独老人もねらい目だ。いつ死んでもおかしくないなら、いつ殺してもいいということだろう。不審死が続くとマズいかもしれないから小旅行もいい。幸い孤独な年寄りはわんさといる。このプランのいいところは探すのがそこまで難しくなさそうなところ。『街ぐるみで気にしてあげようね』の逆をいけばいいのだ。気にしてあげるべき年寄りのラインナップから調子のいいところから食わせられないか。
───若者がいいと言われたらどうしようか。刑務所にでも行って好みの囚人を物色し大人しくさせて社会貢献でもしてやろうかな───それともそれとも……]
(75) gekonra 2022/09/20(Tue) 04時半頃