―噴水広場―
[街の中央にある噴水広場は朝早くでも人がいる。...は広場の適当な一角に立つと、以前イアンを脅かす時に使った凛とした声で]
聞けっ!アンゼルバイヤの民よ!
昨今、隣国アウストの獣たちが我らが美しき国を蹂躙しようとしているという噂が流れている。
諸君らも耳にしたことがあるだろう。
この国の平和が打ち破られる。これは恐らく本当のことであろう。
しかし我らが愛する国の民よ。決して慌ててはならない。
我らが信ずるラ神、国王、そして一兵卒に至るまで降りかかる火の粉を払うべく、全力を賭して働くであろう。
これからアンゼルバイヤは辛く厳しい戦いの冬を迎える。
だが開けぬ夜がないように、止まぬ雨がないように、暖かい春を迎える時が来るだろう。
それまで皆よ、神を、王を、互いを信じ、耐えるのだ!
大義は我らの元にある!
[杖を掲げ、悦に入った顔で民衆をチラ見する。「またソフィアがなにかやらかす気か」と眺めていた彼らは普段の...との声の違いや、かっこつけた口調と付け髭のアンバランスさに笑っていた。しかし...はそれをみて(あっしの演説のおかげでみんなが安心して笑顔になったッス!)とさらにご満悦になったようだ。]
(75) 2011/11/10(Thu) 14時頃