―書架の中>>71>>72>>73―[ルーカスの言葉とぬくもりがじわと沁む。その生を実感し嬉しく思いながら奇跡が終われば戦友と並び立つ事が出来ない寂しさを抱く。本が身を横たえる音に、そっと開かれる双眸が彼の上着を映した]……誰かに、撫でて貰うなんて久しぶりよ。[髪を滑る手の感触に小さな笑み声が漏れる。彼にそうしてもらうのもきっとこれがさいごだろう。泡沫の夢がさめた先を思い胸が締め付けられた。問い掛ける声が耳朶に響けば再び伏せた睫毛がピクと跳ねる。ルーカスの背へとまわる指先が迷うように上着に絡んだ]
(74) helmut 2013/10/11(Fri) 03時頃