[クシャミや少年―オスカー―が集会所の外へ歩いていったのを見送る。
しばらくしてから、外で話し声が聞こえるので目をやると、>>22扉近くの端に座っている男―おそらくヒューであろう―を見つけた。
数年前徴兵があった時は、姉の死の直後だった。
運命が自分たち姉弟をひきさくのが、姉の傍を離れるのがつらくて、徴兵にはどうしても応じたくなかった。
徴兵役人が家に来た時は、棺桶の中の姉を自分に見立てて、弟は死んだ、と嘘をついたくらいだ。
しかしヒューは違う。個人的な理由よりも村を一番に考えて自ら戦場へ赴いた。
彼の勇気ある行動には尊敬の念を抱いている。]
そうだ、何か毛布を・・・
[思い出に浸っていたがふと現実に戻る。ヒューもだが、>>62ソファーで寝ているヤニクにも、苦しそうなラルフにも毛布は必要だろう。
少なくとも今夜には間に合えばよいが、と集会所の奥の部屋へと足を進めた**]
(74) 2013/09/12(Thu) 04時頃