―海のしずく店内―
ちっくしょー。あのデカブツまじしばく。めっためたにする。
[おじちゃんはぶつぶつ呟きながら、上着を脱いで背中の傷口に包帯を巻いていきます。
消毒薬はさっき塗りました。その時もおじちゃんは、ぎゃいぎゃい喚いていました。
消毒薬も包帯も、店内から拝借したものです。こういう場所なら救急セットは常備しているだろうと踏みましたが、大正解です。
制限のない外よりも、狭い店内のほうがお化けが暴れづらいですし。ちょっと小休止するとして、おじちゃんはふぅ、と息をつきました。]
っつっか、「テナレ」って何よ。
消えてなくなれ?なんてナレーション?なんじゃそりゃ。
[意味のわからない言葉を残して立ち去った意味のわからないフランケンシュタインが、おじちゃんは気になって仕方ないみたいです。なんだかぐるぐると考えては、壁にぶち当たってその考えを頭から消していきます。
とにかく、あのフランケンはおじちゃんの「やっつけるリスト」に加えられたようでした。男なら、リベンジなのです。]
(73) 2011/10/21(Fri) 18時頃