>「神森」と「資格」
神森市には特異性が存在する。土地自体が想いの力に反応し、他者への干渉力の増強だけではなく、時に法則等々を捻じ曲げる程の大きな力を持っている。そして、その土地の力は、一定の条件に適った存在に授けられる。
一定の条件…人々から数多くの信仰や人気…想いを強く受けた者は、土地から力を受け、自身の想いによって大きな力を振るう事が出来る。
邪道院家はその特異性を長い歴史から見抜き、「神森は、神成る森である」とした。
「神」とは、超常なるもの。人に信仰されるもの…そうして、力を手に入れたもの。「資格」とは、その力を手に入れる為の一定の条件である。
この「資格」を利用し、邪道院家は、家の者一人を一族全員で信仰することで「神」を作り出し、代々神森を治めてきた。
だが土の栄養が失われるように、千年以上の長い間繰り返した事で、邪道院家がある土地の力は痩せてしまった。その為、土地の力に優れ、学校というシステム上信仰も集めやすい「神森学園」で信仰を集めようとしていた。
今作、グロリアが邪道院を出し抜いて「資格」を手に入れた理由は本人の尋常じゃない適正だけではなく、この点にもある。
(72) bou 2019/05/11(Sat) 18時半頃