―道すがら―
[メアリーに、二人だけで過ごしたかったと囁かれて、あぁそうか、そういう選択もあったんだと今更気づいた。
どうも、恋人同士二人きりで、という思考がまだ自然に出てこない。
少しだけ申し訳なさそうな笑みを浮かべて、それからふと思いついて]
じ、じゃあ…さっきメアリー、白いのと黒いの、どっちの水着も見たい、って言ってたでしょ?
…いったん皆とプールいって、終わったら晩御飯とかになると思うから…そのあと…ちょっと遅い時間になったら、二人きりで…とか、どうかな…?
あらかじめ二着水着借りといて、さ…そ、それなら、二着目は…少しくらい大胆な水着でも…いいよ?
[尤も、自分が着られる水着で、そんな大胆な水着があれば、ではあるが、小鈴はそんな提案を、恥ずかしそうに少しもじもじとしながら、周りに聞こえないようにメアリーにした]
(72) 2011/07/05(Tue) 03時頃