[社へ続く道、見知った顔はまだ見ない。提灯に赤い灯がともり、夕闇に照らされるのは石畳。行き交う人は、当然知らない顔ばかりだ] ……やっぱり、夢、なのかな。[夜店であの時と同じように綿飴を一つ買う。口に含めば甘く溶けて] ――、あ、……。[名前を呼ぼうと思った。でも向こうは覚えていないかもしれない。そう思えば、話しかけるのはひどく勇気がいることで、僕は屋台の陰で立ち止まる。少し先、木に凭れた姿>>63は相賀くんだ。覚えていなかったらどうしよう?ううん、覚えていなかったとしても、同級生だったのだから、話しかけることはおかしくなんてない。そう、思うのに]
(72) waterfall 2014/10/14(Tue) 18時半頃