[彼女のさいごの願いほろりと明かされ]――…、[――あの静かな最後の時間が思い返さる。願われていたのは。少し、気づいていて。なんとなくだけれど。少し、そんな気がしていた]神様に、どんなお礼をするのかね?[伏せた目の邪魔にならぬ声量。側頭に頬を寄せたまま尋ね聞く。尋ねの合間も男の指は髪を梳き、編み込みの絡みを解いてゆく。さらさらさら と、零れる金糸雀]
(72) sin 2013/10/11(Fri) 01時半頃