[焼きたてのパンや、チーズなど、どれも自慢の品々をテーブルに並べる。
手伝ってくれた従業員にはお礼を言いながら、ネルの話に耳を傾けた]
そうですねぇ…。
確かに、私たちは限られたセカイでしか生きてませんからね…。
もしヨーランダさんやミッシェルさんみたいに普通に接する事が出来るなら、他のニンゲンの皆さんとも仲良くできるとは思うんですが…。
そうすれば、この里ももっとにぎわいますし、楽しくなると思うんですけどね。
ネルさんの言うように、びっくりするような誤解もあるようですし。
[とは良いつつも、オオカミの血が濃かったかもしれない大昔は、ニンゲンを襲って食べる、なんて時期もあったのかもしれない]
ただ、私たちの間では、むしろ逆で、ニンゲンはこっそり一緒に暮らそうとしても、ウラナイやあらゆる手段を用いて私たちを探し出して縛り首にしようとする、とか、私たちを排除するためには誤って仲間のニンゲンを殺すのも厭わない、なんて言い伝えもあるんですよ。
[だから、ニンゲンは怖い、ニンゲンは野蛮、なんていうイメージが強いのかもしれない]
(72) 2012/06/14(Thu) 05時頃