……どう、思われますか。
便箋の文字の掠れ具合からして、上からカーボン紙か何か越しに書いた文字が転写されてしまったという可能性もあり得るでしょう。
ただ、私には、これがただの偶然とは思われないのですが。
つまり、その……何か犯人による意図があったりはしないかと。
何より…今話に出した『Pnakotic Manuscript』(>>0:16)、先生も写本の写しを1冊保有しているのですが、これが書架から消えているののです。いつの間にか……
まさか、使用人の方の誰かが、掃除中に別の本と間違えてうっかり持ち出してそのまま…などという事はないでしょうし。
分かっています。私もあまり考えたくはないのですが…ただ、もし犯人の意図によるものだとしたら。
……この件は、ただの殺人事件で済ませられるものではなくなってくるかもしれません。
[自分でも、話す唇が青ざめていくように感じられました。馬鹿な考えだとお笑いになるかもしれませんが、精神操作についても言及されている、魔導書と呼ぶべき書物が犯人の手に落ちているとしたら…それは、これ以上ないほどに恐ろしい事態のように私には思われたのです**]
(72) 2017/12/18(Mon) 00時頃