― 庭園 ―[庭の隅、濡れた金の髪。その姿へと、少しずつ近付いていく雨を避ける様に、出来るだけ庭園の端を歩いて。けれど結局は髪も服も濡れてしまうか。上着を客間に置いておいたのは失敗だったかもしれない、と。] シメオン、さん。[空見上げるその背中>>62に声をかける。手に握られた花束に首を傾げて。濡れた髪が一房、頬に貼りつく。] ……濡れてしまいますよ。[少し悩んで、かけた声はそれだった。この雨の中、自分もシメオンもすっかり濡れてしまっているのだけれど。]
(68) 2012/01/17(Tue) 22時頃