[日光に曝されると肌が溶けてしまう。 銀に大蒜、苦手なものの中でも一番の恐怖は太陽だった。 日中の間に外へ出るなんて、一体何百年ぶりだったか 緊張の糸を張り詰めながら、そっと店外へと出る。 店のドアにかけられた硝子板を「clause」に引っくり返し、 石畳の上をかつりかつり、硬質な足音と共に進む。 夜目は効いても、昼はあまり目がよくない。 昼の間は霧にも成れないし小動物の姿も借りれない。 走り回る子供の足音に、びくりと肩を跳ねさせた。 衝突を避けてくれた彼らに心の底で礼を告げ、 通り沿いに歩を進め、目的の店を目指す]
(68) 2014/10/19(Sun) 03時半頃