「スザンナ、…よろしくお願いしますね。」
へらり。また僕は笑いました。 体調を気に掛けてくれている言葉には、頭を振りはしてみますが、「…そんなに酷いようなら、今日はおとなしく家で休んでみます」と。あの家に戻るのは気が引けるし、正直言って乗り気ではないけど。体調を崩して数日篭るよりはましだと思いました。
「ハンカチ、今度洗ってお返ししても…?」
僕は彼女のハンカチを四つ折りにしながら尋ねました。代わりになるだろうか、疑問はありますが、自分の鞄の中からイルカ柄のタオルを差し出し、恰も返す迄はそれを使ってくれと言うかのやうに。
彼女が甘んじてそれを受け取るか、はたまた帰る僕を見送ってくれたのならば、僕は商店街から外れ来た道を戻ることでしょう。
――新しくできた友人に、どこか温かみを感じて頬に紅を差し、それでも頬を綻ばせながら。
(68) 2014/10/01(Wed) 08時頃