「ねえねえ、見た? 『リンネ』のニュース。」
「見た見た。火事で死んじゃったって! チョー信じらんない。」
「なんかね、ケーサツは放火かもしれないって言ってた。こっわいよねー。」
「ねー。あたしこの前、公園のグラフィティアート見たばっかりなのに! ショック……。」
[――雑踏を駆け抜ける際、疎らに聞こえて来た会話の断片。
自分の死についてのニュースというのは、なんだかおかしいな。
そしてそれ以上に、私のことを噂するその言葉と声が、滑稽。
あんたたち、私のことなんてなんとも思ってないでしょう。
ただ話題作りのために話しただけなんでしょう。
分かってるよ。
皮肉に微笑みながら動かす指先が触れたのは、髑髏マークの参加者バッジ。
>>#5「参加者と死神以外の心が見える」という、なんとも胡散臭い説明が添えられていたもの。]
(67) 2015/03/04(Wed) 15時頃